子宮頸がんの現状

子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんです。
子宮頸がんは、若い世代の女性のがんの中で多くを占めるがんです。
日本では毎年、約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年、約2,900人の女性が亡くなっています。


発症率は20代から増加します


患者さんは20歳代から増え始めて、
30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1,000人います。女性の「出産年齢」と子宮頸がんの「発症年齢」は20代~30歳代で重なります。

初期の子宮頸がんには、ほとんど自覚症状がなく、気づきにくい病気です。
気づいた時には進行していたというケースが少なくありません。

子宮頸がんが進行すると…

●生理に関係のない出血がある
●茶色のおりものが増える、
 悪臭を伴う
●下腹部や腰が痛む

子宮頸がんの原因

子宮頸がんのほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因と考えられています。
HPVはありふれたウイルスで、海外の報告では、異性との性経験のある女性の84.6%が一生に一度はHPVに感染すると推計されています。
通常は、感染しても自然に排除されるのですが、長い間感染が続いた場合、細胞が少しづつがん細胞へと変化していくことがあります。

HPVには、子宮けい頸 がんの原因になる可能性のある高リスク型と、皮膚
や粘膜にできるイボの原因となる低リスク型があります。

また、HPVは、子宮けい頸がん以外のがんを引き起こすこともあります。

子宮頸がん予防

HPVに感染した後、どのような人ががんへと進行してしまうかが明らかになっていないため、HPVの感染を防ぐことが子宮頸がんにならないための有効な手段といえるでしょう。
HPV感染防止に有効なのが、HPVワクチンの接種です。ワクチンを接種することで大きな感染予防効果が期待できます。
子宮頸がんは、早期に発見すれば、比較的治療しやすく予後が良いとされています。早期の発見・治療につなげるため、20歳以上の人は定期的に、子宮頸がん検診を受けることも重要です。予防と早期発見に努めることが大切です。

注)ワクチンを接種しても、すでに生じている病変を治療することはできません。
※国の指針としては、20歳以上の女性において、1年に1回(北九州市の指針は1年に1回)の子宮頸がん検診が推奨されています。